【合格体験記】WSET Level3 王道の勉強法
齋藤さんは、いつも前から2番目に座って熱心にご受講してくださいました。課題も沢山提出していただいたのが印象的です。いったいどのように勉強されたのでしょうか。合格のポイントや、反省点などをまとめてくださいました。
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齋藤裕子さん(WSET Level3 2022年4月合格)
はじめに
2021年JSA受験対策講座、2021年WSET Level3、2022年SAKE DIPLOMA受験対策講座と続けてあき先生のクラスを受講した齋藤です。私も受験するときには、先輩方の合格体験記を読ませていただき、素晴らしいまとめのノートや勉強の工夫に驚き、「凄い人が体験記を書く」というイメージがありました。そのため、今回体験記のお話をいただいたときは驚きました。私自身は優秀な生徒からは程遠く、普段からワインを飲みなれて詳しいわけでもなく、きちんと予習復習する真面目な生徒でもありませんでした。そんな自分がどうして合格できたのか、振り返ってまとめてみました。
WSET受験のきっかけ
JSAの勉強をしたものの、無理やり知識を頭に詰め込んだだけでワインのことをわかっているとは言えず、時間とともに知識が抜け落ちてしまうのももったいないし、テイスティングも今ひとつわからないままで不全感が残っていました。勉強の習慣や知識が残っているうちに…と思って、軽い気持ちと勢いでWSET講座を申し込みました。
<合格のポイント>
●仲間の存在
私の場合、1番に挙げるポイントは、仲間の存在だったといえます。もちろんまとめたり覚えたりは個人戦になりますが、JSAと違いWSETは論述試験で思いのほか勉強がハードでした。そんな時にわからないことを確認しあったり、励ましあえる仲間の存在は非常に支えになりました。必死に仲間についていき、仲間に合格まで引っ張りあげて貰った感があります。
●先生の授業とノート
知識の羅刹のようだったJSAと比べ、WSETは理解することが中心となるので、授業は驚くほど面白いです。でもわかった気になっていたことを、いざ自分の言葉で説明しようと思うと難しく、問題を解き始めると、大事なことは全て先生が授業で繰り返し説明してくださっていたことが痛いほどわかりました。授業のメモとノートを骨組みに論述を書いていました。
●情報収集
WSETは問題が公開されていないので、いかに情報を集めてくるかが重要になります。この点においても仲間に非常に助けられました。かき集めた情報をもとに問題の傾向を知り、自分の苦手としている問題をみつけて潰す作業なくして合格はなかったと思います。
<やったこと>
●授業には出る。先生に言われたことは絶対にやる。
事前に先生が考えてくるべきポイントを投げかけてくださっていたので、テキストを読みながら自分なりに答えをまとめてみるだけでも、次の授業で何を聞かれ、どこが自分はわかっていないのかわかるので、授業に集中しやすくなりました。予習が出来ていなくても授業には出て、授業を聞いた上でまとめる作業をするようにしました。
●勉強会に参加する
私のクラスでは、クラスリーダーが毎週のようにzoom勉強会を開いてくれていました。先生の考えてくるべきポイントやワークブック、集めた問題には解答がないので、同じ問いに対して仲間がどうまとめているか参考になりました。自分が設問の日本語を読み違えていたり、人によって問題の捉え方が違うことがわかったり、自分の答えの抜けを発見したり、一人勉強では気づけないことばかりでした。時に自分が不勉強すぎて、参加するとかえって焦って落ち込みそうになることもありましたが、とにかく毎回参加しました。
●自分の手で一度は書く
勉強会に参加していると、皆さん上手にまとめられた解答例ばかりで、自分で書くより皆の答えを覚えたほうが早いんじゃないか?と思ってしまうこともありました。自分でまとめる作業は時間が凄くかかりますが、一度はテキストや授業のノートを見て、自分の言葉でまとめる労力を惜しまないことが大切だと思います。
●ラベル問題
私は勉強会の議論で貢献できることが少なかったので、ラベル問題だけは頑張ってまとめて先生にチェックしていただき、皆にシェアすることを最後まで続けました。残念ながらテストには一題も出ませんでしたが、ラベル問題を通して、5ファクターズをひととおり考えることが出来たので、非常に勉強になりました。
●テイスティング勉強会とドライテイスティング
なかなか自分1人では授業のワインを集められなかったり、自分のコメントに自信が持てなかったりするので、テイスティング勉強会は助かりました。自分で行う時も必ず時間を計って、面倒でもフルコメントを手書きで書いて、本番で抜けがないように目と手で覚えるように練習しました。
<大切なこと>
●受験時期の検討
私の場合、4月末が試験日でした。年度末年度はじめが繁忙期となる人達は大変だったと思います。私も勉強時間が確保できず、体調も崩したりして、試験の延期を真剣に考えましたが、とにかく仲間と一緒に試験を受けてしまいたいという思いだけで受験しました。でも、私のように器用ではないタイプの方は、はじめから無理のないスケジュールで試験を受けられたほうが楽しいし苦しくないです。
●自分のペースでできることをする。自分を信じる。
社会人ともなると、どれくらいテスト勉強に時間を割けるか人により違います。私は仕事後スマホを見ると、勉強グループLINEにおびただしい未読メッセージが溜まっていることが多く、いつも自分が遅れをとっているように感じて焦っていました。でもWSETはJSA2次と違って絶対評価。今自分ができることを確実に重ねていくことが大事だと言い聞かせて、人と比較しすぎず自分のペースを守ることを心がけました。最後2週間は追い込む暇もありませんでしたが、自分で一度は解いたし、まとめてみた事に自信をもつように努めました。
<反省点>
●勉強の出遅れ
本腰を入れて勉強を始めるのが遅く、授業が空いた1か月間もすっかり中だるみしてしまって有効活用できず、自分のノートすらまとめることが出来ていないまま当日を迎えてしまいました。そのため、テスト前に最終チェックする資料がまとまっておらず、気になっていたのに確認できない箇所もありました。
●スペスフィケーション
重要性を繰り返し説明されていたものの、ほとんど活用できていませんでした。テストの指針となるものなので、最初のうちからしっかり活用されたほうがいいと思います。
<おわりに>
勢いで受験を決めたWSETは、軽い気持ちでは受けられないくらい気力体力が必要なテストでした。でも、より深く学べたことでワインへの向き合い方がかわり、学ぶ楽しさを思い出させていただきました。また良い仲間たちに出会え、学生時代のときのように一緒にわいわい勉強した時間は合格以上に嬉しく素敵な経験でした。次に何の勉強に挑戦するかわかりませんが、ワインの学びは続けていきたいと思っています。
講師から
コツコツと堅実に漏れなく用意されていたのが、やはり勝因かなと思います。またそのやり方は齋藤さんの性格に合っていたと思います。WSETでは山はりが出来ないので、どの分野もまんべんなく学ぶ必要があります。そんな観点では、齋藤さんの勉強の仕方は、良いお手本と言えると思います。
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