【合格体験記】ゼロからA判定合格

山村さんは、火曜クラスの級長を務めてくださった人気者です。初めてワインを勉強されたとおっしゃっていましたが、本番の成績は「A」判定で合格。いったいどのように学ばれたのでしょうか。


山村健児さん(火曜ライブクラス/ソムリエ合格)


元々私はワインのことは何も分かっていない素⼈でした。どの程度のレベルかというと、シ

ャルドネもカベルネ・ソーヴィニヨンもそれが葡萄品種だということを全くわからない状

態の素⼈でした。3 年前にワイン業界に⼊り、2021 年の 1 ⽉から代表へと就任。ワインの

ことをもっと知りたい、そもそもワインについて話をする時の共通⾔語が社内で出来上が

っていない、そしてスペインワインの良さを伝えていくには、他国のワインも知っていなけ

ればならないと思いました。私⾃⾝がソムリエの資格を取らなければ従業員への⽰しがつ

かないという強い思いから、2023 年 3 ⽉から 7 ⽉までの 5 ヶ⽉間を試験勉強に集中をして

無事に⼀次試験に合格をし、その調⼦で最後まで諦めずに進みました。そこで、⼀次試験、

⼆次試験、そして三次試験について⾃分の体験と考えを書き残したいと思います。


「強い決意」

まず⼀番重要なことは、腹を括ることです。絶対に合格をしなければならないという強い決

意とモチベーションを⾃ら作らなければならない。ダイエットなどと⼀緒で、公表をするの

が良い⽅法。ひっそりとやるということは、いつでも逃げるという気持ちがある。途中でや

る気がなくなればそのまま辞めることができるし、失敗をすれば誰にも知られずにことを

過ごすこともできる。そんな考えでは絶対に合格できない。社内、家族、SNS などで公⾔を

するのが良い。そして私は、取引先のお客様にも伝えていった。次回お会いする時は⼀次試

験に合格していなければ恥ずかしい。⼆次試験の時には、三次試験の時にはという調⼦で会

うたびにプレッシャーを⾃分にかけていました。

次に重要なことは時間を確保すること。確保をするということは、何かを切り捨てなければ

ならない。例えば、朝 1 時間早く起きて勉強をするのであれば、睡眠時間を 1 時間切り捨

てなければならない。お昼の 1 時間を 10 分程度で終わらせて残りを勉強するのであれば、

⾷事時間の 50 分を切り捨てなければならない。夜、そして⼟⽇に勉強をするのであれば、

⾃分のプライベート時間を切り捨てなければならない。これができるかどうかは、腹が括っ

ているかどうかのモチベーションと⽐例してくる。私の場合は朝 7 時過ぎには息⼦を送り

出していたので、そこから始業時間までの時間を確保した。お昼ご飯もなるべく⼿短に終わ

らせ、残りを勉強にする。夜と⼟⽇の休みはできる限り勉強に当てた。家族にも宣⾔をして

いたので、理解をしてくれて協⼒的でした。



「試験のための勉強」

3 番⽬に重要なことは、ソムリエの試験と実践は違うと割り切って、「試験のための勉強」

をしなければならないということ。これは⾮常に重要で、どんなに知識があろうが、マニア

ックなことを知ってようが、実践から学んだことであろうが、当たり前ではあるが試験に出

なければ、それは全く役に⽴たないということです。よって、試験申し込みをする際にソム

リエ協会から届く、約 830 ページもある厚さ 3.5cm の教本を全部読む必要もなく、覚える

必要もない。必要なのはテストに出る重要な箇所だけを勉強するということ。


⼀次試験へ

三つの試験の中では、⼀次試験が⼀番の難関だと思います。⼀次試験の対策としては、⼿っ

取り早いのは試験対策⽤の学校です。私はアカデミー・デュ・ヴァンのオンラインコースで

紫貴あき先⽣のコースを受けました。⾦銭的に⾼いと感じる⼈もいるが私は全く思わない

ですし、今振り返ってみても⾮常に有意義でした。あの 830 ページもある教本を要約して

くれ、かつ先⽣の⼿書き⼊りで重要度などを⽰してくれていたのは⾮常に助かりました。ど

れだけの膨⼤な時間を要して、全てをまとめてくれているのかを考えるだけで、⾼いどころ

か安く感じてしまう。また、過去の試験の傾向からまとめてくれている実践問題が多いに役

⽴ちました。試験範囲を要約して、テストに出そうな箇所を⽰してくれているので、試験の

難易度的には⾼校時代の期末テストぐらいの印象でした。ただし、学校で⾔えば 7 科⽬は

お酒の基本及びサービス等があり、26 科⽬はそれぞれの国の歴史及びワインについての合

計 33 科⽬を勉強する必要があり、26 科⽬平均が 75 点を越えなければ合格ができない。⼈

によっては相当、苦労することとなります。


「近道はない」

⼀次試験には、いやそもそも試験には、近道というのは存在しない。コツコツと⽇々努⼒を

積み上げていくしか無いのです。しかしながら、⾟くなってくるとネットや噂に⽿を傾けて

しまい、無駄に何かを読んでしまったり、⾒たり、してしまう⼈をみかけました。そしてモ

チベーションが下がっていくと毎⽇の勉強を疎かにし、しまいには脱落してしまう⼈もい

るように思いました。これらは⾮常に時間がもったいないです。まずは⾃分の決意を信じる

こと。⼀度、決意をしたのだから、⾃分にとっての誘惑を全て排除をした⽅が良いです。例

えば、ご⾃⾝の誘惑がテレビなのであれば、テレビを押し⼊れに仕舞い込んでしまうか、カ

バーをかけてみれないようにした⽅が良いでしょう。


「過去問から勉強をする」

勉強の仕⽅としては、⾮常にシンプルです。まずは、先⽣から頂く実践問題や過去問から進

めました。1 つは、単語に慣れること。1 つは、問題の形式を理解すること。1 つは、どの

内容がどれだけたくさん問題がでているかを理解すること。⼀旦、答えを⾒ながら問題をや

り終えたら、今度はその問題⼀つ⼀つを⾒ながら教科書のどこに該当する内容なのかをチ

ェックする。内容をチェックしていくと、点と点が繋がり、線となり、⾯となっていく。こ

れを繰り返すことによって、記憶を定着していきました。⼈はただ読んでいくよりも、疑問

に思いながら調べものをしていき、問題を繰り返し⾏った⽅が記憶に残りやすいと思いま

す。問題から⼿を付けると⾒慣れない単語がたくさんで、チンプンカンプンでストレスが溜

まり、どうしても先に教科書から「読みたく」なってしまいます。しかしながら、これが⼤

きな過ちです。私たちは試験勉強をしているのであって、「読書」をしているのではないで

す。私の会社の従業員でも、まだフランスの章を全部読み切ってないので次にいけませんと

いう⼈がいました。すぐに要点を伝えて、読むのをやめさせました。例えば、辞書(今とな

っては辞書を持っている⼈もいないと思うが)を⾒る時に「あ」から全てを読むのでしょう

か。そんな⼈はいません。⾃分が調べたい箇所を探し、それに関連する所を読むだけなはず

です。試験勉強も全く同じしょう。もう⼀度考えてみましょう。試験に出てくる傾向と内容

がわかれば良いのであって、全てを読んで満⾜をしても意味がないのです。

過去問は何を、そして何冊必要なのか?という質問もよく出ました。私の実感としては、先

⽣の実践問題と過去問の本は⼀冊、そしでアカデミー・デュ・ヴァンのアプリ内にある練習問題

で充分であると断⾔できます。アプリはそれこそ 1 分の隙間時間でも活⽤できるので、か

なりおすすめです。エレベーター待っている間、信号待っている間でもアプリは⼤活躍でし

た。私が使⽤していた過去問は「ソムリエ試験対策問題集 1200 問」でした。授業では毎週

1 及び 2 科⽬を、多い時は 5、6 科⽬を勉強の範囲としていました。私は授業が始まる前ま

でには、⼀度実践問題と過去問を解き、⼆度⽬に実践問題がでた箇所を教科書に線を弾きな

がらチェックをしていました。そして、授業を聞いていると腑に落ちるところが出てきたり、

勉強したところ!(この気持ちが重要)と落ち着いて参加することができました。授業の終

わりには⼩テストが毎回開催され、私は 9 割以上を⽬標にし、実際にやり遂げていきまし

た。


「忘れるのは当たり前。復習がポイント」

しかしながら、毎週テストをしながら進めていっても、授業の中間テストと総合テストでは

想像以上に点数が悪い状況でした。それもそうなはずで、直前の復習対策を全くしていなか

ったためです。そしてここにもポイントが 1 つあります。それは、毎週勉強をしていたこと

は無駄ではなく、後⽇総合復習をするための⼀つのステップだと思わなければならないと

いうことです。⼀度勉強をしているので、復習をする時は「あー、これあった」とか「あれ?

こんなのあったっけ」となる。復習をすればするほど、「あー、これあった」という箇所が

増えていき、問題ももっと多く解けるようになっていきます。



総合復習

ここまで来るとあとは勢いでいけます。しかしながら、⼀つの科⽬(国)にこだわって先に

進めないで総合復習ができない⼈もいました。それでも先に進み全体を早く終わらせるよ

うにするのをお勧めします。総合復習、つまり全ての科⽬を⼀気に問題解きをすることによ

って最後の仕上げをしていきます。ここで重要なのがエビングハウスの忘却曲折です。総合

復習は本試験まで 5 回はやるようにしましょう。私は 1 回⽬と 2 回⽬は、それぞれ 1 週間

かけて全ての科⽬の実践問題及び過去問題集をおこなっていました。実際、間違えたところ

を教科書で確認する作業を含めます。しかしながら、3 回⽬の時には 1 ⽇でそれを終わらす

ことができました。間違えたところでも全てを教科書で確認する必要がなく、頭のどこかに

記憶をしているためです。4 回⽬、5 回⽬は間違っていた箇所のみの問題を解いて、それぞ

れ数時間で終わるようになります。残りの時間は⾃分の苦⼿な科⽬やパターンを復習して

いました。このように最後の仕上げは、試験⽇当⽇から逆算をし、必ず全ての科⽬の問題を

⼀気に解くことを強く勧めます。



最後に

⼀つの試験で最⼤ 2 回受験ができる。これを最⼤に活⽤するべきです。私はソムリエとエ

キスパートの 2 つを受験していましたので、合計 3 回の試験を申し込みました。エキスパ

ートの試験を 8 ⽉初めに、そしてソムリエの試験を中旬、そして⽉末へとスケジューリン

グしました。試験合格をするには A 判定もしくは B 判定が必要となり、不合格は C もしく

は D 判定となります。ただし、A や B で合格をしたからといって、特に何か次の⼆次試験

が有利になるなどのメリットはありません。8 ⽉初めは B 判定合格となり、中旬の試験では

A 判定合格となりました。これは、2 回試験をしたことによって、⾃分が苦⼿な科⽬がわか

ること、本試験ではどのような問題が出るかわかることにより⾃分なりに 2 回⽬の試験の

時には対策ができていたためでしょう。また、私の周りでは 8 ⽉初めには D 判定不合格と

なり、1 ヶ⽉集中勉強をして⾒事 B 判定合格でパスをした者もいます。初めにお伝えした通

り、テストのレベルは⾼校の期末試験ぐらいだと私は思います。しかし、33 科⽬もあるの

で⼀夜漬けはできなくとも、1 ヶ⽉の集中期間があれば合格への道は⾒えきます。ただし、

重要なのはすでに⼀度全てを勉強している上での 1 ヶ⽉集中期間だということを忘れない

ようにしましょう。どんなに沢⼭勉強をしても、試験の合格という⽂字が出るまでは不安で

しかありませんでした。⾃分の⼼のどこかにもっと勉強をしていれば良かったという後悔

があればあるほど、その不安はもっと⼤きくなっていきます。そんな気持ちでは睡眠もまま

ならず、悪循環となっていきます。重要なのは 3 つです。「強い決意」、「時間確保=切り捨

てる」、そして「試験のための勉強」。あとは⾃分を信じて、勉強をするのみです。今後、受

験をされる⽅は是⾮頑張ってください。そして、ブドウの⾦バッジをみんなで掴みましょう。



講師から

ワインを初めて勉強したという風には全く見えませんでした。余談ですが、山村さんのスモールグループも一次を全員合格されました。自分のノウハウを余すところなく、メンバーに教えてあげていた姿が印象的です。

タイマー変わり、そして勉強時間の集計をとるのに使ったアプリもご紹介いただきました

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紫貴あき:夢を叶えるブログ

女性ソムリエ/ワイン講師 アカデミー・デユ・ヴァンや各種メディアでワインの魅力を発信中。 ーーーー 全国アドバイザーコンクール優勝 オーストリアコンクール優勝 ボルドーワインコンクール3位 WSET®スカラシップ受賞 全日本ソムリエコンクールセミファイナリスト ーーーー WSET®Diploma JSA認定 ソムリエ・エクセレンス ASI認定 国際ソムリエ 現在も夢に向かって邁進中

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